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更新日: 2021年4月27日
 
運営委員長ご挨拶
近畿川崎病研究会は、故神谷哲郎先生(旧国立循環器病センター初代小児科部長)を中心とした近畿地区の川崎病に熱意をもった小児科医が、1981年 (昭和56年) に第1回を開催し、毎回エンドレスの議論を繰り広げたと語り継がれる伝統ある研究会です。発足当時の先生がたは定年退職され、逝去された先生もおられます。昭和が過ぎ、平成も終わり、令和の時代になり、COVID-19感染という疫病が蔓延しています。2020年に、川崎病の発見者で、毎回この学会を先頭のお席で聴講された川崎富作先生と患者の家族として『川崎病の子供をもつ親の会』を立ち上げられた浅井滿様が逝去されました。
川崎病は、戦後の環境変化の中から現れた原因不明の病気です。正常に生まれた子どもが、川崎病に罹患し冠動脈後遺症をもつと、一生に関わる病気を背負うことになります。1960〜70年代に健康に生まれ寿命をまっとうできたはずの多くの子どもたちが成人を迎えることなく亡くなりました。川崎病の病態が少しずつ明らかになり、この研究会の発足当時の先生がたの功績である急性期の免疫グロブリン治療が冠動脈障害の出現率を著明に低下させました。その治療は日本だけでなく、世界中で川崎病の急性期治療として行われています。
時代は移り、1970年代に川崎病に罹患した患者が50歳代になり、川崎病による冠動脈障害に粥状硬化が加わるため、予後が心配されます。また、近年出現頻度は減少しましたが、強力な急性期治療を行っても冠動脈後遺症をもつ患者もいます。インターネットの普及、情報技術の進歩により、研究へのアプローチ、研究会のあり方・形式は時代とともに変化していきます。これからも会員の皆様と共に、先人の先生がたの信念を引き継ぎ、川崎病という疾患に挑んでいきたいと思います。
2021年(令和3年)4月1日
近畿川崎病研究会
運営委員長  津田 悦子